計算科学(2002年度前後期)

科目名
計算科学
担当者名
樋口三郎
サブテーマ
偏微分方程式モデルと確率モデルの計算機による解析
科目概要・内容

自然, 社会の複雑な現象の中には, 数式の計算に加えて 計算機で解析することで初めてよく理解できるものが多くある. そのような現象のいくつかを紹介する. また, プログラム作成を中心とする, 計算機による解析の実用的な技術を説明する.

題材として, 偏微分方程式モデル(前期), 確率モデル(後期)を取 り上げる. 偏微分方程式モデルでは, 気温分布のように, 時刻と場所 の両方に応じて変化する量を扱う. 確率モデルでは, 宝くじやブ ラウン運動など本質的にランダムな現象を扱う.

この科目を履修することにより身に付くポイント
計算機を用いた科学技術計算の実用的知識が得られる. 現象の偏微分方程式モデルと確率モデルの具体的イメージを持てる.
授業方法
講義を中心に, 必要に応じて演習を行う.
試験方法成績評価方法
評価は主に前後期末試験により, 平常点, 授業時間内の試験の結果なども部分的に考慮し, 計算科学実習とは独立して評価する. 通年科目であることに注意. 年度の途中で, 必要に応じてその時点までの成績を通知する.
授業計画
前期(13回)
  1. プログラムは楽して開発しよう(emacs, make)
  2. プログラムには標準語をしゃべらせよう(テキストファイルと標準/エラー入出力)
  3. 他人の作ったツールで絵を描こう(Excel, Mathematica, gnuplot)
  4. 微分と極限を追放しよう(差分)
  5. プログラムは楽して走らせよう(コマンドライン引数, パイプ, プロセス管理)
  6. 我慢しよう(3重対角行列の LU 分解)
  7. コードで弦を押さえよう(境界条件の表現)
  8. ギターを差分で鳴らそう(弦の運動)
  9. 自分のタッチで絵を描こう(グラフィックスライブラリ)
  10. ドラムを差分で鳴らそう(膜の運動)
  11. 波を差分でおこそう(波動)
  12. 煙を差分でまこう(拡散)
  13. 部屋を差分で暖めよう(定常温度分布)
後期(14回)
  1. 計算機でルーレットを作ろう(乱数)
  2. 計算機で普通の儲けと運不運の差を測ろう(平均と分散と誤差)
  3. 計算機でいかさまルーレットを作ろう(確率分布関数)
  4. 計算機の気持ちになろう(デバッガー)
  5. 計算機の体力を測ろう(リソース管理, プロセス管理)
  6. 計算機に楽させてあげよう(プロファイリング, オプティマイズ)
  7. 計算機で伝染病の流行をみよう(コンタクトプロセス)
  8. 計算機でお湯を沸かそう(格子ガス)
  9. 計算機でブラウン運動をみよう(ランダムウォーク)
  10. 計算機で滲みこむ水をみよう(パーコレーション)
  11. 計算機で風紋を作ろう(ハイトモデル)
  12. 計算機で砂山を崩そう(サンドパイルモデル)
  13. 計算機で霧の中の山頂を探そう(シミュレーテッドアニーリング)
  14. 計算機で磁石の中をみよう(イジングモデル)
系統的履修科目
並行して計算科学実習を履修することを前提とする. 予備知識として, 数値計算法, グラフィックス基礎程度の, 数学と計算機の知識を仮定する. 前期の内容は現象の数学I, 後期の内容は統計熱力学と関係する. 偏微分方程式, 確率統計I,II とも重なる部分がある. あわせて受講するとよりハッピーになれるかもしれない.
テキスト
なし
参考文献
講義でも適宜紹介する.
履修上の注意・担当者からのひとこと
http://sparrow.math.ryukoku.ac.jp/~hig/compsci/ で講義についての情報, 資料を提供しているかもしれない. 2001年度の講義内容とは異なるので, 再履修者は留意すること.

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樋口三郎, http://www.math.ryukoku.ac.jp/~hig/ hig mail address